紫外線の有害度が年々高まっているという昨今、美白ケアを見直したいという人も増えているのではないでしょうか。
毎年のように効果に期待できる製品が新発売している美白美容液は、もはやすべての女性に必須といってもいいほどの美容アイテムです。
ここでは、美白美容液の最新事情について紹介します。
2018年は美白美容液の年!
美白美容液は、毎年のように注目の成分が独自配合された製品が開発されています。その開発力は驚くべき進化で、どれも試してみたくなるほどです。
一般に、美白ケアというとメラニンへのアプローチがイメージされますが、最近では遺伝子や血管への効果で美白を促すといった領域にまで踏み込まれています。
既に定番となっているような人気美白美容液も、新しいアプローチによってリニューアルしているため、その効果を試してみたくなっている人が多いでしょう。
美白美容液など気休めと思っていた人も、最新の美白美容液にトライして美白ケアに目覚める元年にしてほしいものです。
2018年に新発売された美白美容液の15商品
2018年に新発売された美白美容液は、15商品もあります。
それぞれの特徴や価格などについて、紹介していきます。
HAKU メラノフォーカスV(資生堂)
資生堂のHAKUは、2011年に日本初のW美白有効成分である抗メラノ機能体を配合した美白美容液です。
2005年の発売以来、進化を続けてきたHAKUですが、シミの記憶をゼロにする最高傑作として誕生したのがHAKU メラノフォーカスV。
メラニン色素の過剰生成を効果的に抑制する4MSKとメラノサイトの活性化を抑えるm-トラネキサム酸が、肌の奥深くまで届くように設計されているのが特徴です。
グリセリンに加えて、トルメンチラやイチヤクソウエキスといった肌の保護成分も配合されています。
発売日:3月21日
通常価格:45g入り10,000円(税別)
ホワイトショット SXS(ポーラ)
ポーラのホワイトショットが誕生したのは、20年前。最新のホワイトショット SXSでは、肌が本来美しくなる力に着目して、生体美白に挑んでいます。
世界で一つの美白メカニズムが活かされているというホワイトショット SXSは、濃厚なクリームが気になる部分に密着して、美白有効成分をシミの発生源であるメラノサイトに届けやすくなっています。
美容成分のm-シューターやオリジナル複合成分のルシノール、m-Aクリアエキス、SCリキッド、クリアノールなど、ポーラならではの美容成分が詰まったアイテムです。
発売日:2月1日
通常価格:20g入り12,000円(税別)
エピステーム ホワイトフォトショット(ロート製薬)
美白ケアをはじめ、ハリ・つや・うるおいも同時にかなえることができるのが、ロート製薬のエピステーム ホワイトフォトショットです。
新開発されたフォトショットコンプレックス、保湿成分のアマチャヅルエキスとコラプラスが、独自の高浸透技術ディープターゲットデリバリーで肌の奥までしっかりと届けられます。
発売日:2月7日
通常価格:30ml入り9,000円(税別)、50ml入り13,000円(税別)
ソフィーナ ホワイトプロフェッショナル 美白美容液ET(花王)
天然植物由来としては唯一の美白有効成分であるカモミラETが配合された、花王のソフィーナ ホワイトプロフェッショナル 美白美容液ET。
過剰なメラニンの生成を未然に抑えて、シミ・そばかすの原因を作らせないようにする効果があります。
独自のモイストブライト成分として、ローズマリーエキスや白樺エキス、キキョウ根エキス、アスナロ抽出液などにも注目です。
発売日:4月24日
通常価格:40g入り5,940円(税込)
エクイタンス ホワイトロジー エッセンス(サンスター)
シミの発生ルートに先回りして細部にまでアプローチするという、日本で唯一の追跡型美白美容液としたサンスターから発売されたのが、エクイタンス ホワイトロジー エッセンスです。
シミのもとを分解促進するリノレックS、シミ悪化の一因となる炎症を抑えるグリチルリチン酸ジカリウム、紫外線を浴びた後の炎症を抑えるトラネキサム酸がサンスター独自の組み合わせで配合されています。
発売日:4月25日
通常価格:30g入り10,000円(税別)
ONE BY KOSE メラノショットホワイト(KOSE)
「圧倒的な美白力」をコンセプトに登場したKOSEのONE BY KOSE メラノショットホワイトは、日本で初めてシミ発生源の3D解析に成功したのが誕生のきっかけとなりました。
そこで工夫されたのが、シミのもとを無色化する進化系コウジ酸を美白有効成分として配合すること。
メラノシューティカル処方で、日焼けや乾燥で硬くなった皮膚を瞬時にほぐして美容成分をすみずみまで届けることで、ムラのないクリアな肌へと導きます。
発売日:4月16日
通常価格:40ml入り5,300円(税抜)
スノーエッセンスオブライト(ディオール)
ディオールのスノーエッセンスオブライトは後成遺伝学に着目して、環境によるダメージで変化するDNA構造をケアすることで明るくピュアな透明感のある肌へと導いてくれます。
天然のブライトニング効果があるエーデルワイスと発酵酵母エキスにより、光のスイッチを入れるような輝く肌を目指せるエッセンスです。
発売日:2月23日
通常価格:30ml入り16,740円(税込)
ホワイトプロセスエッセンスOP(イプサ)
イプサから出たホワイトプロセスエッセンスOPは、2種類の美白有効成分m-トラネキサム酸と4-MSKを配合。植物由来の保湿成分JMコンプレックスⅢも加わって、美白に適した肌環境に整えながら透明感のある肌へと導かれます。
発売日:3月1日
通常価格:20ml入り6,000円(税別)、50ml入り12,000円(税別)
スキンブライトナー(ボビィブラウン)
ボビィブラウンから出たスキンブライトナーは、グルコサミン配合で古い角質を払拭する効果に期待できます。
糖蜜やプラムエキスなどがメラニンに働きかけることで、使い続けるうちにくすみ知らずの明るい肌を目指すことができます。
発売日:2月16日
通常価格:14ml入り5,600円(税別)
ブランエクスペールダブルコンセントレート(ランコム)
ランコムから出たブランエクスペールダブルコンセントレートは、朝と夜とで2種類の美容液を使い分ける製品です。
上下に分かれて入ったエッセンスには、肌の角質をやさしく取り除くキヌアや炎症抑制作用のあるローズエキスなどが配合されています。
肌環境の異なる時間帯に使う美容液を変えることで、いつでもフレッシュな肌を目指せます。
発売日:2月16日
通常価格:30ml入り14,000円(税別)
ブライトニングスキンケア(マリークヮント)
マリークワントから出たブライトニングスキンケアは、メラニンが働くタイミングを逃さず、時間差で昼夜の肌環境に合わせたケアができる美容液です。
デイエッセンスは日中トラブルを徹底ブロック、ナイトエッセンスは睡眠中のメラニン活動にアプローチします。いずれも、リラックスできるローズマリーの香り付きです。
発売日:3月9日
通常価格:昼用75ml入り5,000円(税別)、夜用75ml入り6,000円(税別)
リプラスティ レザリスト セラム(ヘレナルビンスタイン)
ヘレナルビンスタインから出たリプラスティ レザリスト セラムは、とろけるようなテクスチャーで大人の肌を包み込み、レーザー光のようなツヤとハリをもたらしてくれる美容液です。
シミや色ムラをケアするだけでなく、瞬時に明るさを演出してくれるのが魅力。
世界有数の美容機関の美容メソッドに着目し、フラクショナルレーザー施術級のなめらか肌に期待できます。
発売日:2月1日
通常価格:30ml入り30,000円(税別)
アンフィネスホワイト ホワイトサージ ソリューション(アルビオン)
アルビオンから出たアンフィネスホワイト ホワイトサージ ソリューションは、メラニンの生成を抑える美白有効成分がシミやそばかすを防ぎながら明るさのみなぎる肌へと導いてくれます。
同時に濃密なうるおいが肌に与えられるため、ハリやつやに満ち、洗練された印象的な肌を目指すことができます。
発売日:3月18日
通常価格:40ml入り10,000円(税別)
エッセンシャルホワイト ソリューシオン クラルテ(ヨンカ)
ヨンカから出たエッセンシャルホワイト ソリューシオン クラルテは、ヨンカ初の美白ケアアイテムとして注目されています。
95%が自然由来成分という配合は、角質ケアのフィカスフラワー、肌トーンを整える褐藻、エイジングケアのリンゴエキスと最新の美容成分が勢ぞろい。
不要な角質を除去しながらダメージにアプローチし、ブライトニングケアとエイジングケアを同時にかなえてくれます。
発売日:2月21日
通常価格:30ml入り10,000円(税別)
レーヌブランシュ ホワイトインフュージョンセラム(ロクシタン)
ロクシタンからは、フレッシュなジェルからウォーターに変化するサッパリしたテクスチャーの薬用美白美容液が登場です。
ビタミンC誘導体によりメラニンの生成を抑制しながら、オーガニックのレーヌデプレエキスにより均一でなめらかな肌を目指せます。
ホワイトマルベリーエキスも、透明感のある肌へとサポート。紫外線による乾燥ダメージをケアしてくれる、ホワイトアイリスエキスも配合されています。
発売日:2月28日
通常価格:30ml入り10,500円(税別)
2018年の美白美容液の注目美白成分とは?
化粧品メーカーごとに、美白ケアの新成分や新技術を発表した2018年。
革命的な美白成分が多く、どれも試してみたくなってしまいます。注目の美白成分について、紹介しましょう。
カモミラET(ソフィーナ)
花王ソフィーナが美白美容液に配合しているのは、天然植物由来としては唯一の美白有効成分として認められたカモミラETです。
カモミラETは、約800種類ものカモミラから厳選した摘みたての花からフレッシュなままで成分抽出した成分です。
紫外線を浴びるとメラニンを作るように指令がいきわたりますが、カモミラETはその情報を未然に抑制してくれます。その結果、過剰なメラニンの生成が防げるのです。
リノレックS(サンスター)
サンスターの美白美容液に配合されたリノレックSは、シミの分解促進する効果のある美白有効成分です。
リノレックSでメラニンの生成を抑制することに加え、グリチルリチン酸ジカリウムとトラネキサム酸という2種類の抗炎症有効成分によってシミのきっかけとなる炎症を抑えることができるのが、サンスターのホワイトロジーエッセンスの特徴です。
リノレックSと2種類の抗炎症有効成分の組み合わせは、日本でサンスターが唯一おこなっています。
コウジ酸(コーセー)
日本で初めてシミの3D解析に成功したコーセーでは、メラニン生成細胞であるメラノサイトから表皮細胞へとメラノサイト内の真っ黒な袋メラノソームが受け渡されることを確認。
シミを発生させないようにするためには、メラノサイト内でメラノソームを作らせないことが重要と考え、美白有効成分のコウジ酸がメラニン生成を抑えてシミのもとを無色化するのに最適だという結論に至ったのです。
酒造りをする杜氏の手が白いことから研究され始めたコウジ酸は、日本で生まれた天然由来の美白有効成分です。
メラノサイトに直接届き、酵素チロシナーゼを活性化させる銅イオンをとらえることで、過剰なメラニン生成を抑えることができます。
美白研究の最先端を走る3社の見解
化粧品メーカーの中でも、美白研究ではリードしているメーカーがあります。
ここでは、3社をピックアップして、それぞれどのようなアプローチでシミ対策をおこなっているのか、理論やメカニズムについて紹介します。
資生堂 シミ予防研究所
他の化粧品メーカーも負けずに後追いをし、独自の美白成分開発などをしているものの、資生堂の美白研究は他社をグンと引き離しています。
新しい美白成分を出すたびに話題となるのは、実際に高い効果を見せつけてくれるから。
2011年には黒化スパイラルにはまりやすいシミができる肌に着目し、2013年には肌の奥にひそむ第2のメラニン生成ルートまで発見しています。
2015年には、シミのある部位特有の角層が複雑にからみ合うことで、角質がはがれにくくなっていることを解明。
同時に、シミ部位にどのようにどのくらいメラニンがあるのかを3D可視化することに成功しました。
いまや他社でも配合されることのある美白有効成分m-トラネキサム酸を開発したのも、資生堂です。
2年後には、美白有効成分の4MSKを開発。2011年にはこの2つの美白有効成分を組み合わせることによって、抗メラノ機能体を完成させ、メラニンの生成命令と過剰生成を抑制することに成功しています。
2013年には、植物成分のホワイトリリーと塩酸グルコサミンを組み合わせることにより、アンダーメラニンルートによるシミの発生を抑えるアンダーシールダーを開発。
2015年には、不要なメラニンを含む角質をスムーズに排出させるための成分、ソフニングリリーサーを開発しています。
さらに、ターンオーバーの乱れを改善するために、メラニンの代謝を促進するディフェンスバイタライザーも開発。
2016年には、美白成分を角層の奥深くまで届け、メラニンの生成ルートをあらゆる方角から狙い撃ちする3Dターゲティング処方が打ち出されています。
今では、遺伝子解析により、シミができる肌で変化する遺伝子を発見し、シミが生成される肌特有のダメージを解明。
皮膚を切らずに肌内部の組織を分析可能なシステムも導入しており、資生堂のシミ予防の研究はますます進化しています。
参考:資生堂 シミ予防研究所
ロート製薬の最新メラニン研究
ロート製薬が美白研究で着目したのは、美容クリニックで用いられている光治療のメカニズムです。
美容医療の現場では、シミも肌の質感もとにかくまずは光治療がおこなわれるというほど効果を発揮する治療法です。
ところが実は、光治療の美白メカニズムはハッキリとは解明されていませんでした。
そこで、ロート製薬と美容皮膚科の院長が協力し、光治療の効果のメカニズムを解明。
その結果、白肌遺伝子に光がアプローチすることで、シミやくすみが取り去られることがわかったのです。
ポーラのメラニン研究
ポーラでは、シミの原因であるメラニンのメカニズムを次々と解明しています。
シミの要因が紫外線だけでなく、加齢ストレスによる肌の奥にあるメラノサイトの移動も要因であることは、ポーラが業界で初めて発見しました。
そこでポーラでは、メラノサイトを移動させてメラニン量を適切に供給する機能をアライブクリア機能と名付け、この機能が低い肌がシミやくすみを発生させやすいことを突き止めています。
メラニンの生成をロックしてしまうオリジナルの美白有効成分、ルシノールの開発もポーラの研究成果です。
メラノサイト内で生成されるチロシンとチロシナーゼが合体することから増えてしまうメラニンですが、ルシノールはチロシナーゼと素早く合体することでチロシンと結びつかせずメラニンを増やさないようにすることができます。
ポーラが業界で初めて解明したメカニズムのもう一つが、セルフクリア機能です。
人が自ら美しくなる力のことで、子供の頃には日焼けをしても冬には元の肌状態に戻っていたことを思い出すと納得がいくでしょう。
肌には、表皮細胞内のメラニンキャップ(メラニンの塊)を分解する力があるのです。
しかし、セルフクリア機能の低い肌は、細胞がメラニンキャップを分解できないため、過剰にメラニンがたまったままになってしまいます。
ポーラでは、シミの部分に通常のメラニンと性質の異なる過脂化メラニンがあることを発見しています。
メラノサイトに過酸化物質が増加しても、過脂メラニンが生成されるため、なかなかとれない濃いシミの原因となってしまいます。
年齢に関わらず起こり得ることで、ストレスや睡眠不足、運動不足、食生活の乱れなども影響しているようです。
参考:ポーラのメラニン研究
まとめ
ほんの数年前から飛躍的に進化を遂げたように見える美白研究ですが、実は各化粧品メーカーでは20年30年と長い年月を美白研究に費やしてきました。
その成果が、やっとスピーディーに伝達されるようになり、さらに競争が激しくなって画期的な美白ケア製品が誕生してくれそうです。