口の周りがピリピリジュクジュク。赤い水ぶくれが出来て、あっという間に一体に広がってしまう口唇ヘルペス。
痛いし痒いし、熱を持っているような重たい感じがして辛いですよね。
症状も勿論ですが、見た目にもかっこわるいし、憂鬱な気持ちになったり妙にイライラしたりと、まさに良いこと無しです。
そんなヘルペスになってしまうのは、どうしてなのでしょうか?原因や現れるサインについて考えてみましょう。
口唇ヘルペスの原因は?
ヘルペスは、ウイルスの感染によって発症します。
数あるヘルペスウイルスの種類の中でも、口唇ヘルペスを引き起こすのは単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)というもの。
このウイルスを持っている人と接触したり、ウイルスが付着している物に触れることなどで感染します。
感染しやすいのは、その感染源である人がヘルペスを発症している時期だけではありますが、皮膚に症状が現れていなくてもくしゃみや鼻水などにウイルスが紛れていることもあり、知らず知らずのうちに感染している場合もあります。
しかもこのウイルス、大変厄介なことに一度感染し、免疫ができたとしても何度も再発してしまう特徴があります。
また、予防接種などもないので、あらかじめ予防策を講じることもほぼ不可能です。
一度感染すると、ヘルペスウイルスは体内の神経細胞の中に収まり、発現の時を虎視眈々と狙っています。
感染したウイルスを完全に取り去ってしまうことはできないので、まさに一生のお付き合いとなってしまうのです。
口唇ヘルペスの感染率は?再発してしまうのはなぜ?
辛い症状を引き起こすヘルペスウイルスですが、実に日本人の80%以上もの人が既に感染していると言われています。
それにも関わらず、発疹など目に見えて発症するのはそのうちの1割程度。
多くの人が発症せずに居られるのは、ヘルペスウイルスに対する抗体を持っているからなのです。
つまり、自分の免疫力をもってして、ヘルペスウイルスから自分の身体を守ることができている状態となるのですね。
しかしこの抗体、ちょっとした体調の変化で急激に働きが弱まってしまうのです。
不規則な生活が続いたり、仕事や家事で無理をしてしまったり、風邪をひいてしまったりと、免疫力が低下したときがそれにあたります。
特に、女性の場合は月のリズムなどでも左右されてしまいます。
そのせいもあって、口唇ヘルペスの発症率や再発率も、女性の方が男性の3倍にものぼるという結果にも表れています。
「ちょっと疲れたな」という隙をついて、眠っていたヘルペスウイルスがここぞとばかりに牙をむくのです。
しかも、ウイルスとのお付き合いは一生もの。治療して一旦は発現が抑えられたとしても完全に無くなることはありません。
体調の変化する度合いやタイミングは人それぞれですが、免疫力が低下する度に、あの辛い症状が繰り返されることとなってしまうのです。
口唇ヘルペスのサイン、初期症状は?
何度もヘルペスを繰り返したことのある人だと、何もなくとも感覚的に「あ、そろそろ出るな」とわかるのだそうです。
虫の知らせというものでしょうか。
発症前の初期症状としては、かゆみや違和感などの小さな不快感を覚えます。
具体的には「足の小指を角にぶつけた後のようなビリビリする感じ」や、「炭酸水を飲んだ後の喉の奥のような感じ」など、感じ方は人それぞれなようですが、ピリピリ・チクチクとし、少し熱を持ったような感覚です。
そう感じると、あとはどうすることもできないまま、あっという間に赤く腫れて水ぶくれとなってしまうのです。
この初期症状を感じてから発症するまでの期間は、短い人だと2~3時間、長くとも数日以内とのこと。
つまり、初期症状として体感するころには、もう自分の力ではどうすることもできないほど進行してしまっていることもあるのです。
早期に発見し、即座に治療を開始することで重症化が避けられますので、早めの対策が必須です。