気が付くと口の周りに水ぶくれとなって現れる口唇ヘルペス。
治したいけど、何科の病院にかかれば良いの?と考えてしまう方も多いのではないでしょうか?
また、病院にたどり着いたとしても、どんな治療が行われるの?と不安に思う方もいらっしゃることでしょう。
今回は、気になるヘルペスの治療に関してお伝えいたします。
口唇ヘルペスは何科に行けばいいの?
口の周りにできてしまった赤い発疹や水ぶくれ。
「皮膚の変調なので皮膚科?」
「疲れているなら内科かな?」
「それとも、口の周りのことだから歯科?」と考えられることは色々ですが、実はどれも正解!
いずれを受診しても必要な薬は処方してもらえます。
しかし、専門医は皮膚科がベスト。
ヘルペスかどうかが疑わしい場合の判断や検査等の設備が整っているのは皮膚科であることが多いのです。
経験豊富な医師だと、一目見ただけで判断して貰えますので、あまりおおごとにならない場合が大半です。
口唇ヘルペスの診察や検査内容は?
さて、「どうやら口唇ヘルペスのようだけど、病院で何するのか怖い…!」というあなたも、ここで確認しておけば大丈夫です♪
診断基準
口唇ヘルペスは、同じ所に何度も出てしまうのが特徴となっています。
何回か同じ症状で受診している場合は、「いつものだね~」とばかりに流れ作業的な診察をされて終了します。
また、初診の場合でも、腕の良い医師であれば一目見ただけで「あぁ、ヘルペスだね」と言われてしまいます。
触ったりこねくり回されたりということは、ほぼありません。
それだけ判断がしやすいものであるということでしょう。
問診
初診の場合は、いつから?どのような症状ですか?と、他の病気や症状でも聞かれそうな事柄を聞かれます。
かゆい・痛い・ジュクジュクするなど、自身の症状をありのままに話すようにしましょう。
検査内容
通常の場合、取り立てて「検査する!」という大層なことはありません。
しかし、他の湿疹や吹き出物などと混同して判断が難しい場合は、抗原検査か抗体検査が行われます。
抗原検査は、水ぶくれやできものを擦り取って調べる方法で、抗体検査は、血液の中に抗体があるかを調べる方法です。
結果は即日わかる場合もあれば、1週間ほどで再診を受けた際に聞くということもあります。
口唇ヘルペスの治療内容は?
医師から口唇ヘルペスとの診断を受けたら、病院で処置をされることは特になく、薬での治療となります。
用いられるのは、主に飲み薬か塗り薬。この2種類は同時に使うことができないので、どちらかを選択しての治療を行います。
薬の種類は?
飲み薬での治療は、バラシクロビルという抗ウイルス剤の含まれた薬剤を用いることとなります。
これによって、ヘルペスウイルスを攻撃し、増殖の原因となるDNAの複製を阻害し、症状の収束をはかることができます。
製剤名は「バルトレックス」というものです。
1錠を1日2回の服用し5日間で飲み切るとヘルペスウイルスを抑え込むことができるのですが、1.8cmほどと大きめの錠剤でなかなか飲みにくいものとなっています。
また、薬価も一般的な処方薬に比べると非常に高価で、保険診療3割負担の場合でも5日分で1600円ほどかかります。
最近になってようやくジェネリック医薬品の「バラシクロビル錠」が開発され、薬価は半額以下となりましたが、大きくて飲みにくいという面からは残念ながらあまり変化が見られていません。
一方、塗り薬には、アシクロビルやビダラビンという抗ウイルス剤が含まれた薬剤が用いられます。
各々、作用のメカニズムの違いはありますが、ウイルスの伸長と増殖を食い止める働きがあります。
製剤名は「ゾビラックス軟膏」や「アラセナA軟膏」といったもので、1日4~5回、適量を患部に直接塗ります。
薬価も1本あたり300円ほどなので、3割負担だと100円程度。圧倒的にリーズナブルです。
しかし、ヘルペスが出ている間はずっと塗り続けなければならず、2週間は薬が手放せない状態となります。
また、いずれの軟膏も痛痒さに即効性を発揮するわけではなく、なおかつ結構ベタつくので、ダブルで不快感が生じるという場合もあります。
価格を取るか?使用感を取るか?という選択も迫られることとなるでしょう。
治療期間は?
先述の通り、飲み薬であれば5日間、塗り薬であれば症状が治まるまでずっとということになります。
しかし、飲み薬も、5日間飲み終えるころにヘルペスの症状が全て綺麗に無くなっているということはあまりありません。
あくまで、体内のヘルペスウイルスの増殖を抑え込むことができるということなので、水ぶくれや湿疹など症状の完治には2週間ほど時間がかかってしまいます。
通常の皮膚疾患よりもどうしても時間がかかってしまうのもヘルペスの特徴です。
日常生活の注意点は?
まずは、「無理をしないこと!」これに尽きます。
しっかり休養を取り、体調を整えることがヘルペスを発症させないことへも繋がります。
しかし、毎日忙しい生活を送っている多くの人は、多少の無理をしなければならない場面もあるでしょう。
その結果として、ヘルペスを発現させてしまうこともあります。
皮膚にピリピリジュクジュクとした症状が現れ出したら、以下のことを気にかけましょう。
・患部を触らない!
・清潔さを保つ!
・タオルや食器を他人と共有しない!
少なくともこれで、自分の他の部位に移してしまうことや、他の人に感染させてしまうことを避けられるようになります。
とにかく、「ヘルペスかも?」と感じたら、早めに専門医を受診し、治療を始めるようにしましょう。
早めの治療が、あなた自身とあなたの大切な人たちを守ることにもなりますよ。