化学染料の染め物に慣れてしまっている私たちは、草木染めに触れる機会が少なくなっています。
草木染めは天然の植物を染料として使う染め物で、環境にやさしく、化学染料にはないやさしい風合いの色味を楽しめるのが特徴です。
身近な野菜や野の花、木の枝葉や樹皮などで染めることもでき、家庭でも染め物を楽しめます。
草木染めの特徴や素材、必要な道具、染め方、染められるアイテムなどについて紹介します。
草木染めとは
天然の植物を染料として使って染め物をするのが、草木染めです。
化学染料に比べると、環境にやさしく、しかも独特のやさしい風合いを出せるのが草木染めの魅力。
日本全国どこにある植物でも染料になり、ほとんどの植物を染料として使えるのも特徴です。
野に咲く花や葉、枝、茎、根、樹皮などの他、野菜や果物の皮、豆の煮汁、インスタントコーヒーやお茶なども染料として使えるのです。
料理をした後の野菜の野菜くずやコーヒーを淹れた後の粉なども染料になるため、無駄なく染め物ができることも注目されています。
草木染め何で染める?
草木染めは、ほとんどどの植物でも染料になるといわれています。
花や葉・茎・根・木の枝葉・樹・玉ねぎやナスや果実の皮、小豆や黒豆の煮汁、インスタントコーヒーや紅茶も染料になり、専門に行っている人は新しい染料にどんどんチャレンジしています。
草木染めは、日本でも大昔から行われている染め物の技術で、歴史がある工芸でもあります。
その一方で、日常的に布や糸を染める染料として植物が用いられてきた歴史も無視できません。
草木染めに必要な道具
草木染めに必要な道具は、染料とする植物の他、ステンレスやホーローの鍋、ザル、棒や菜箸、ボールやバケツ、はかり、軽量カップ、温度計、ゴム手袋などたくさんです。
ただし、これらの道具に珍しいものはなく、どこの家にも1つはありそうなところが特徴でもあります。
100円ショップで買いそろえることもできそうな道具ばかりですから、草木染めはいつでも気軽にできる染め物といってよいでしょう。
化学染料を使うわけではないため、普段、料理をする道具と一緒でも問題はありませんが、何度も染め物をしていると道具が色に染まってくることもあるため、専用に用意しておくのもよいでしょう。
草木染めの染め方
草木染めは、染料となる植物を細かく刻んでから水で煮だしてザルで染液をこします。
染めたい糸や布をこの染液につけることで、染ができるのです。
染めたい素材によっても、浸け込む時間や仕上げの仕方が違ってきます。
例えば、ウールの場合は、染液が80度以上にならないように、あまりかきまぜないようにするのが注意点。糸や布を洗ったら、柔軟剤で仕上げれば風合いがよくなります。
染料を糸や布に浸けるだけでは、色が定着しません。
色を定着させるためには、媒染という作業が必要です。
媒染液は焼きみょうばんなどで作り、これを染め液に加えて色止め効果に役立てます。
簡単草木染めで出来るアイテム
草木染めは、自宅で簡単にチャレンジすることができます。
気軽なところでは、ハンカチなどを手始めにしてみるとよいでしょう。
慣れてきたら、Tシャツなどを染めてみてもいいですね。
多少のムラができてしまっても、それがいい味になることもあります。
スカーフやストール、トートバッグなども自宅で草木染めにおすすめのアイテム。
布地を染めて、巻きスカートなどを作るのも簡単です。
他にも、毛糸を草木染めで好きな色にし、編み物をするのも楽しいですよ。
市販の糸にはない色ができて、どこで買ったの?と羨ましがられるようなニットが仕上がるはず。
靴下などを染める人もいて、なかなかおしゃれです。