ネイルのおしゃれをしたときに、マニキュアを落とすのに使う除光液。
さっとひと拭きするだけで、強力に接着されていたカラーが落ちてしまうなんて驚異的です。
実は、危険性のある成分が配合されていることもあり、使い方や取り扱いには注意したほうがよい場合もあり。
ここでは、除光液の危険性や正しい使い方、注意点などについて紹介します。
除光液の危険性とは
ネイルを落とすときに使う除光液は、主成分としてアセトンという有機溶剤がよく用いられています。
アセトンは人体内でも生成される成分で、自然と体外に排泄されます。
アセトン自体は、そのままでは人体に有害というわけではありません。
ただし、アセトンを主成分とする除光液となると、話が少し違ってきます。
強力な脱脂性を持つ除光液は、爪の表面を黄色く変色させたり、なめらかさが損なわれてしまうことがあります。
においが強烈なのも特徴ですが、従来の除光液というとアセトンを用いたものが主流でした。
現在でも、ドラッグストアやコンビニなどで手軽に手に入る除光液には、アセトン配合の製品が目立ちます。
アセトンは気化しやすく、気化した高濃度の状態で吸引すると健康被害が起こる危険性があります。
頭痛や気管支炎などが代表的な症状で、ときには意識を失う人もいるほどです。
特に被害が起こりやすいのが、換気をせずに空気がこもりやすい場所でアセトン配合の除光液を使用したときです。
ペットや赤ちゃんなどに被害がおよぶ場合もあるため、気を付けましょう。
特に赤ちゃんには気を付けて!
実際に赤ちゃんがアセトン被害によって意識不明に陥り、病院に運ばれ、アセトン中毒と診断されたケースもあります。
母親が換気をせずに除光液を使っていたことが原因で、生後2ヶ月の赤ちゃんが嘔吐を繰り返し、意識が混濁する事態となったのです。
すぐに母親が病院に運び、4日後に退院となったそうですが、大人でも身近で除光液を使われて気分が悪くなることがあるため、注意が必要です。
赤ちゃんがアセトン中毒となったケースでは、再現によって床面から約70cmのところにあった母親の顔付近のアセトン濃度は90ppmだったものの、床面から10cmほどのところにいた赤ちゃんの顔付近では1200ppmものアセトン濃度に達していたことがわかりました。
大人が自分の手足の爪のネイルを除光していても不快と感じることがあるアセトンに、10倍以上の濃度で接触することになり、訴えることができない赤ちゃんやペットの身も考える必要があります。
除光液の正しい使い方
マニキュアをセルフで落とすときに使うことになるのが、除光液です。
急いでいて、除光液を爪に塗ったら、ゴシゴシとティッシュでこすり落とすなどという人もいるかもしれません。
実はこの使い方は、爪に恐ろしいほどの負担をかけています。
爪にやさしい除光液の使い方を覚えて、実践しましょう。
まず、除光液を落とすときには、ティッシュではなくコットンを使うことをおすすめします。
コットンのほうが除光液がしみこみやすく、効率よくマニキュアを落とすことができます。
素早く落とせるという点で、ティッシュよりも爪への負担を軽減することができるのです。
ただ、コットンを使うといっても、ゴシゴシこするわけではありません。
除光液をしみこませたコットンを爪の上に置いて1~2分待つだけで、するんとマニキュアが落ちます。
ラメのような粘着力が強いものでも、同じ方法でOKです。
最後までこびりついて落ちにくい部分は、軽くこすって落とすようにしてください。
ちなみに、除光液は、爪だけでなく皮膚にも刺激を与えます。
なるべく皮膚につけないようにして使うように気を付けることも大切です。
除光液を使った後は、ネイルのアフターケアをしてあげましょう。
ネイル専用のクリームなどを使うだけでも、爪や指先をケアすることができます。
脱脂性が強いアセトンが入っている除光液を使うと、皮脂が落ちてしまうリスクがあるため、保湿を十分におこなってください。
注意点は?
除光液を使ってマニキュアを落とすときには、とにかくゴシゴシこすらないのが基本です。
どうしても落ちない細かい部分などは、コットンに除光液をしみこませて軽くこすりながら素早く落とすようにしましょう。
何度も往復させて、強くこするようなことは避けてください。
同じ場所に、繰り返し除光液を使うのも負担が大きくかかります。
また、除光液を使うときには、必ず換気をするようにしてください。
窓を開けたり、換気扇を回すなどして換気をおこなわないと、長時間にわたって除光液に配合された成分が空気中に滞留してしまうことがあります。
立っているときなどはあまり感じなくても、寝るときに床に近づいたら、除光液成分の濃度が高くなった空気に触れて気分が悪くなるかもしれません。
アセトンフリーの除光液が近くで購入できる!
危険性が心配されるアセトンを配合していない除光液も、販売されています。
中には、100均ショップや無印良品などのプチプラ商品も出ているので、チェックしてみてください。
アセトンが配合されていなくても、他に危険性のある成分が配合されていることもあります。
例えば、酢酸エチルはアセトンより危険性が高いといわれているにもかかわらず、アセトン以上にクレンジング力が低く、強くこすらないとマニキュアが落ちないという特性があります。
除光液の配合成分としては、選びたくないところです。
なるべくこすらずに落とせるもの、天然由来の成分でできたもの、保湿成分が配合されているような除光液を選ぶようにしましょう。