長かった冬もそろそろ終わりが見えそうなこの頃。
春の訪れを告げる行事とも言えそうなのが、ひな祭りです(*´ω`*)♪
女の子のいる家庭で準備に余念がないのは言うまでもなく、最近では女子会としても人気が高まっています。
ひな人形やお花など、飾りつけはもちろん、宴席に欠かせないのがお料理です。
「こういう伝統行事の料理ってちゃんと作らないといけないんじゃないの?」と億劫になってしまう人も居るかも知れませんね。
何となく手間がかかりそうな気はするものの、意外とそうでもないようです。
今回は、ひな祭りを彩る伝統料理を、楽して簡単に作る方法をお伝えいたします!
主役級の存在感!ちらし寿司
出典:白ごはん.com
ひな祭り=ちらし寿司!と連想する人も多いのではないでしょうか。
ちょうどバレンタインの終わった2月の中旬ごろから、食酢メーカーを中心に積極的な広告・宣伝がなされています。
しかし、このちらし寿司、本来のひな祭りの料理としては、実はあまり深い意味がないようなのです!
節分の巻き寿司やバレンタインのチョコレートなどに見られる「食品メーカーの陰謀」がここでも起こっているということなのでしょうか(^^;
ただ、全く見当違いだ!というわけでもない様子です。
遡ること1000年、現代の寿司の原型となる「なれ寿司」が平安時代中期の貢物として納められ、貴族の祝いの席で食されていました。
これがルーツとなり、現代の食卓ではちらし寿司が食されるようになった模様です。
また、ちらし寿司に乗っている具材自体にも意味があるようです。
長寿を表すエビや、見通しが良くなるようにとレンコンが入っているなど、ひな祭りに込められた願いがあるのです。
作り方は?
♪ちーらしー ずしー なーら…♪のCMソングで有名なちらし寿司のもとなどを使うという方法もあります。
合わせ酢とともに、しいたけ・ニンジン・レンコンなどの調理済みの具材が入っていて、混ぜるだけで彩り豊かな酢飯が出来上がります。
しかし、これらが無くても簡単にちらしずしを作ることができますよ♪
基本的なすし酢は、ご飯1合につき、食酢20ml・砂糖大さじ1杯・塩小さじ1杯を混ぜ合わせるだけ。
ちらし寿司の場合は、少し甘味を効かせるとより美味しく召し上がれます。
砂糖が溶けにくい場合は、電子レンジで20秒ほど加熱すればOKです。
酢と合わせることを考慮して、ご飯の炊き具合はやや硬めがオススメ。
しっかりと混ぜ合わせたら、お好みの具材を載せていきましょう!
エビやレンコンなど、ひな祭りに所縁のある食材をはじめ、まぐろ・たこ・いくらなどの海鮮類や、錦糸卵や海苔などを散らせば完成です!
これなら、お友達や子どもと一緒に作ってみるのも楽しそうですね♪
欠かせない定番料理!ハマグリのお吸い物
出典:創味食品
「お吸い物をきちんと作る」というと、出汁を取って微妙な塩加減で…と難しく考えてしまう人も多いのではないでしょうか。
潮汁とも呼ばれ、その発祥は、海辺で潮を汲み取って魚を煮たのが始まりだとされています。
こう考えると、実は非常にシンプルな料理なのですね。
作り方は?
出典:味処千とせ
まずは、ハマグリの下処理から始めましょう。
ハマグリ10個程度に対して、水600CCを用意して、鍋に入れます。
弱火でゆっくり火を通して、ハマグリが開いてきたら順番に取り出して、水につけておきましょう。
中には、開かないハマグリもありますが、その際には無理に開けず、処分するのが無難です。
開いたハマグリを全て取り出したら、キッチンペーパーで濾しましょう。
残るは味の決め手となる出汁ですね(*'▽')
手っ取り早い方法としては、市販の顆粒だしや白だしを使うのが一般的です。
余計な手間をかけずとも、製品の説明書き通りの割合で、確実に美味しく仕上がります。
他には、昆布茶を使うという方法もあります。
昆布だしの味を簡単にしっかりと出すことができますよ。
先ほどのハマグリの煮汁に、小さじ1杯の薄口しょうゆと、大さじ1杯の昆布茶を加えます。
そこに、ハマグリを戻して、沸騰させないように弱火で温めれば完成です!
お好みで手鞠麩や三つ葉などをトッピングすれば、見た目もお祝いの席に相応しい逸品に仕上がります。
アサリのお吸い物じゃダメなの?
出典:アマノ食堂
ハマグリと似た貝に、アサリがありますね。
スーパーの鮮魚売り場を見ていても、年中通して陳列されているのはアサリ。
ひな祭りのときだけ、ここぞとばかりにハマグリが並ぶというイメージを持たれる方も多いでしょう。
通常、アサリの価格は1パック200g程度で200~300円ほど。
国産のハマグリと比較すると何と6分の1程度とあって、コスパも抜群です。
見た目ソックリな両者なので、ここはアサリのお吸い物でも良さそうなところですよね!?
しかし、ひな祭りにおいてアサリのお吸い物が一般的でないのにはきちんとした理由がありました。
またも遡ること1000年の平安時代。
貴族の遊びに「貝あわせ」というものがありました。
出典:多賀城市の文化財
貝殻に描かれた絵のうち、同じ図柄を合わせるというものです。
現代で言うところの、トランプの神経衰弱のようなものでしょうか。
この遊びに使われていたのが、ハマグリだったのです。
合わせるものは図柄でしたが、このハマグリ自体、対になっている貝殻でないとピッタリと合わせることができません。
このことから、ひな祭りでお祝いされる女の子が「一生、相手とピッタリ添い遂げられるような人と巡り合えますように」との願いが込められているのです。
これらの意味を重視するなら、ハマグリがより良いということになりますね。
明確に「アサリがダメだ」という理由はありません。
しかし、このような流れがあってハマグリに行きついているということを知っておいても損は無さそうですね♪
ご馳走の後のスイーツは?
目にも鮮やかなご馳走を食べた後は、やっぱり甘いものが欲しくなりますね。
最近では、ひなあられをチョコレートでコーティングしたひなチョコや、ひな飾りを模したひなケーキなどもあります。
しかし、ここは原点回帰。
本来食すべき王道のものを作ってみましょう
ひなあられ
出典:GAHAG
スーパーやコンビニなどで数百円程度で販売されていることから、「買えばいいのでは?」と思いがちなところ。
しかし、意外にもお餅があれば簡単に作れます。
切り餅1つを1cm角のさいの目状にカットし、クッキングシートを敷いた天板に並べます。
170℃のオーブンで10分程度加熱します。
これで、あられは完成。
あとは、お好みで青のりやしょうゆなどを合わせて、フライパンで炒ると、味付けが行えます。
この時期のお餅なら、お正月の余り物などがまだ残っているお宅もあるかも知れませんね。
わざわざひなあられを買わなくても、お家で出来立てを楽しむことができますよ♪
草餅
出典:まんえい堂
ひな祭りの定番となっているのは桜餅じゃないの?との声もあることでしょう。
実は桜餅よりも草餅の方が、ひな祭りに所縁が深いのだとか。
古代の中国では、同じく3月3日に上巳の節句と呼ばれる、邪気を払う儀式を行っていました。
その際に1年の邪気を払う食べ物として、ゴギョウを使って作られた草餅が食されていました。
この風習が、日本にもやって来て、定着したというわけなのです。
しかし、このゴギョウ、別名を母子草というところから、「母と子を、臼と杵で突くのが縁起が悪い」とされました。
このことから、日本ではヨモギが用いられるようになり、現代にまで受け継がれているのだそうですよ。
こうして、草餅には本来ヨモギを使うのが定着していますが、一般的にはなかなか手に入りにくいのが実情です。
道路脇に自生しているのは多く見かけますが…率先して使いたいとは思えないですよね(^^;
ヨモギが手に入りにくい場合は、小松菜やほうれん草の緑色を使って草餅を作ることも可能です。
フードプロセッサーで細かく刻んだ野菜30gを、だんご粉100g・ぬるま湯120ccと合わせます。
電子レンジで3分程度加熱してから、あんこを入れて丸めれば、見た目は草餅そのもの!
ヨモギを用いるよりも栄養価が高いのも嬉しいポイントですね♪
ひな祭りのルーツに触れながらも簡単にスペシャルメニューが作れます!
きっと、素敵なひな祭りの食卓になるはずですよ(*^▽^*)