焼締の器とは?
陶芸の種類の一つである焼締の器は、陶器を作るときにお決まりの仕上げにかける釉薬がかかっていません。
釉薬がかかっていないぶん、高温の窯の中でも、しっかりと焼き上げることが可能です。
そのため、釉薬がかかった器とは、見た目が異なるのが特徴です。
土の色がしっかり残った、温かみを感じる焼き物に仕上がるのも、焼締の器ならではです。
高温の窯の中で、2週間ほどもかけて焼く焼締の器は、灰などが釉薬代わりとなって、自然な色や模様が入ります。
使い込んでくるうちに、味のある色合いとなり、料理の色が映えるのも特徴です。
焼締の器と素焼きの違いは?
焼締の器は釉薬がかかっていない器のことを指しますが、同じく釉薬がかかっていない焼き物に、素焼きがあります。
まるで同じ製法のような焼締の器と素焼きですが、実は全く異なる焼き物なのです。
素焼きは、焼き上げの温度が800~900℃。
焼締の器の場合は、1100~1300℃の高温で焼き上げるため、素焼きよりはるかに高温です。
実は、素焼きの多くは、一度焼き上げてから釉薬をかけて、さらに焼き上げているのです。
再度の焼き上げをかけない場合もあり、植木鉢のような素焼きに仕上がるのが特徴です。
見た目の違いだけでなく、素焼きの器は水をよく通すという特徴もあります。
だから、植木鉢に使用されることも多いのですが、割れやすいのもポイントなのです。
焼締の器の魅力
焼締の器は、料理を盛ると味が出るのも人気の理由です。
和食にもフレンチやイタリアンにも映える器で、焼き魚や野菜なども、しっかり彩よく盛り付けることができます。
器に盛って料理が映えると、おいしそうにみえるのもいいですね。
一つ一つの仕上がりに違った味が出ているので、同じデザインの器を買っても別々の器のように楽しめます。
家族みんなで食事をするときにも、これはお父さん用、これはお母さん用などといった使い方を楽しむことも可能です。
因みに、備前焼などは、焼締の器の代表格です。
土の自然な色を味わいながら、飲食などを楽しめるので、ゆるやかな和み感を得られます。
使い込めば使い込むほど、自分らしい味わいが出てくる器ですよ。
焼締の器の使い方・洗い方・注意点は?
焼締の器には、水分が沁み込みやすいという特徴があります。
使い始めたら、そうした水分がシミのようになってしまったと驚くかもしれません。
ですから、使い始める前に、器を吸水させて目止めすることも重要です。
穏やかに水分が沁み込むようになり、食べ物のシミがつきにくくなります。
といっても、使い込めば使い込むほど、そうしたシミが味わいにつながってくるのもポイントです。
焼締の器の洗い方は、料理を食べた後に放置せず、早めに洗剤やタワシを使って洗い、しっかり乾かすことが大切です。
また、電子レンジの長時間使用は避けて、オーブンや直火での使用も控えてください。
食洗器は、取り扱い説明書に従って、慎重に使用するようにしましょう。
焼締のおすすめの器・カップ・インテリアも!
焼締の器で、おすすめを紹介しましょう。
松村英治 焼締
うつわももふくが扱っている、陶芸作家の松村英治さん作、 焼締です。
7寸片口鉢 径20.5cm 高さ8cm(4860円)は、器の片端に注ぎ口が付いているタイプ。
特に注ぎ口を気にせず、何でも盛ってみるとよいでしょう。
うつわの店なごみ 焼締め長楕円深皿
うつわの店なごみの焼締め長楕円深皿(5500円)です。
楕円皿は、みんなで大皿料理を囲みたいときにピッタリ。
厚みがあって、どっしりした構えのお皿は頼もしく、食欲が進みます。
多屋嘉郎 焼き締め
陶芸作家の多屋嘉郎が仕上げた、京都生まれの焼き締めです。
四角く厚みのある焼き締めの器は、表面にほんのり見える温かみのある模様が特徴です。
阿部努 南蛮ビアカップ
プレートではなく飲み物用の器です。
阿部努作の南蛮ビアカップは、男性にプレゼントするにもピッタリです。
河島浩三 大き目急須
京都の清水焼から、河島浩三作の大き目急須。
深みがある色合いに、注ぎやすい口や扱いやすい持ち手が特徴です。
焼き締め削り茶香炉
焼き締め削り茶香炉(9000円)です。
癒し系のインテリアとしても映えるこちらは、花活け用にしてもOKです。