卵殻膜は卵の内側についている半透明の薄い皮です。卵の中で育つヒヨコにとっては生まれるまでの栄養源で、ヒヨコが生まれるまで保護をする役割も担っています。
ゆで卵を剥くとき、薄皮は邪魔ですが、傷口の手当てに浸かっていたこともあり、薄い膜に含まれている豊富な栄養成分については、古くから知られていました。
最近では、化粧品メーカーや医薬品メーカーなどでの研究により、人間のスキンケアや健康維持に対する有用性が認められました。
天然成分で安全性が高く、人間が細胞維持に必要な重要な成分が豊富に含まれていることから、卵殻膜から必要な栄養素を抽出した卵殻膜エキスを使用した、サプリメントやコスメ製品が数多く開発されています。
卵殻膜が傷口に効果的な理由って?
人間の細胞は一定期間で生まれ変わっています。皮膚も同様でケガをしても、コラーゲンなどのたんぱく質成分によって、回復するようにできています。
卵殻膜には、コラーゲン、ヒアルロン酸、グルコサミンなどの皮膚や細胞の修復に不可欠な成分や、複数のアミノ酸が含まれいるので、傷口に付けるなどすれば、回復力を早める効果が期待できます。
中国の古い医学書には、やけどや傷の手当てに利用していたという技術があります。日本では、江戸時代に中国から卵殻膜の有用性が伝わったといわれています。
相撲やプロレスで、傷の手当てに使っていたことは、よく知られています。卵殻膜を傷口に使うことのメリットは、直り方が早いだけでなく、傷を負った皮膚が柔らかく、開いてしまうリスクが少ないという点にあります。
縫った場合、傷口はすぐにふさがりますが、跡ができる、硬くなる、開きやすいというデメリットもあります。
卵殻膜での傷口手当方法
卵殻膜の傷口への使い方は簡単です。生卵の薄皮を使うことが大切です。ゆで卵では効果がありません。傷口を清潔にしたら、傷を覆うように薄皮を貼るだけです。
生の卵殻膜に含まれているコラーゲンやヒアルロン酸、アミノ酸が傷を治してくれます。天然の成分なので安全性は高いです。バンドエイドを貼るより、きれいに早く治ります。
卵殻膜がお肌にいい理由
傷の治療に役立つ卵殻膜は、美容効果も高いです。
アミノ酸は18種類含まれていますし、皮膚や細胞を若々しく保つのに不可欠なコラーゲンなどのたんぱく質類が豊富に含まれていることから、美容にも良い効果が得られます。
18種類のアミノ酸の内訳は、必須アミノ酸9、非必須アミノ酸9です。食品の中で、18種類ものアミノ酸を同時に摂取できるものはないので、希少価値が高いといえます。
さらに、アミノ酸の中ても、シスチンの配合率が高いです。シスチンは体内でL-システインに変化するアミノ酸でターンオーバーを活性化させる働きがあります。
また、髪の毛、爪、肌の角質層に存在していて肌を美しくし保つには不可欠です。
活性酸素の除去する働きも持っているのでエイジングケアにも役立ちます。大豆製品にも含まれていますが、含有量は卵殻膜が圧倒的に多いです。
Ⅲ型コラーゲンの働きをサポートする働きも卵殻膜にはあります。コラーゲンにはⅠ型とⅢ型があって、Ⅲ型は肌の潤いやハリを維持する役割があります。
もともとは人間の体内に備わっているのですが、25歳を過ぎるころから、減少し始め、更年期を迎えるころから急激に減少し始めます。
卵殻膜を肌の外側やサプリなどで補ってあげれば、しわやたるみができる速度を遅くしたり、回復させることも可能です。