FGFは、日本語で繊維芽細胞増殖因子と呼ばれる物質です。
人の細胞から生成され、細胞が分化したり、増殖を促すタンパク質の一種です。
その種類は23もあり、それぞれに異なる機能を持っています。
FGF1~10は、傷の治療やアンチエイジングなどに役立ち、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)と結びつくことで機能します。
FGF11~14は、FGFRとは結び付かないタイプです。
FGF15からは発見されて間もないため、まだハッキリとわかっていない部分も多いところです。
ダメージを受けた組織を回復する力を持っているFGFは、皮膚粘膜の修復や発毛などにも使用されています。
FGFは働きの違い@それぞれの働き
FGFは、23種類それぞれに働きが異なります。
特に頻繁に使用されているのが、FGF-1やFGF-2、FGF-7です。
FGF-1は、aFGFの別名を持ち、繊維芽細胞を増やすために役立ちます。
線維芽細胞は、エラスチンやヒアルロン酸、コラーゲンなどの美肌成分を生成し、真皮層を健康に保つために欠かせない細胞です。
真皮層の形成の他、血管を修復するためにも、FGF-1は使用されています。
FGF-2は、別名bFGFと呼ばれています。
こちらは、FGF-1よりも強力な繊維芽細胞増殖促進作用を持っています。
また、FGF-1が酸性であるのに対して、FGF-2は塩基性である点も異なっています。
FGF-7は、毛母細胞に含まれている因子です。
毛穴の中にある細胞で、活発に働き始めると毛髪の成長につながります。
毛髪を構成する成分、ケラスチンというタンパク質が集められるからです。
これが、ケラチノサイト増殖因子や角化細胞増殖因子の別名を持つ理由です。
FGF-1の肌への効果とは?ハリやツヤが保たれる?!
FGF-1は、美容外科などでも用いられています。
直接FGFを肌に注入することで、コラーゲンやエラスチンなどの生成を促すことができるのです。
すると、加齢などによって発生したシワなどが改善されます。
コラーゲンやエラスチンなどの成分が増えてくると、細胞間がつながれるため、肌にハリやつやが生まれてきます。
FGFが配合された化粧品などもありますが、実は美容成分の多くは角質層から真皮層にまで到達することが難しいのです。
そのため、外側からの摂取であれば、注射による施術が効果的です。
FGFの副作用
FGFには大きな効果に期待できる反面、副作用の心配もされています。
医師によっても、FGFの使用を選ばない人もいます。
副作用の問題だけが関係しているとは限りませんが、医療業界でもFGFが絶対の存在だというわけでもないようです。
FGFの副作用で代表的なのが、しこりの問題です。
注入量や個人差も関係しますが、FGFでしこりが出来てしまう可能性があるのです。
このしこりは、コラーゲンなどが増えすぎて発生してしまうものです。
要するに肌が変形してしまうということで、長く残ってしまうケースもあります。
副作用とは異なりますが、FGFを注入しても、半永久的な美容効果は得られないといった問題も覚えておいたほうがよいでしょう。
ヒアルロン酸の注入などと同様に、FGFも注入すると次第に体内に吸収されていきます。
そのため、持続期間は半年から1年程度と見ておいたほうがよいでしょう。
FGFの摂取の仕方は注射やサプリ
FGFを含め、多くの美容成分は、肌表面の角質層から肌内部の真皮層まで届くことができません。
しかし、FGFの場合は、肌の表面から注射することによって、真皮層まで届けられます。
これは、注射だからというよりは、皮膚の表面に受容体であるFGFRが存在しているからなのです。
つまり、FGFとFGFRが結びつくことによって、コラーゲンなどの美肌成分を増殖させる命令が出されるのです。
ただ、浸透率が高いのは、注射によるFGF注入です。
また、内側からの摂取によっても効果に期待できますから、サプリメントでの摂取もおすすめします。