エシ毎日でもする機会のある買い物では、ただ欲しいものを買うだけでなく、一工夫するとより満足感を得られる買い物にできます。
何でも買える環境にいるからこそ、買物に工夫をしたいもの。
エシカル消費は、そんな消費生活のヒントとなってくれる倫理の要素です。
ここでは、エシカル消費の特徴やどんな商品のことなのか、ロハス・フェアトレードとの違い、まずは何から始めるかについて紹介します。
エシカル消費とは
買物をしているとき、同じ商品で安いものと高いものがあったら、どちらかといえば安いものを選ぶ人のほうが多いでしょう。
安くて品質もよく、食べ物ならおいしければ、迷わず買う人がほとんどではないでしょうか。
いい買い物をしたと満足できるかもしれませんが、実は気づかぬところでその商品は問題を抱えているかもしれません。
例えば、自然環境に大きなダメージを与えて作ったものだったり、児童労働や労働搾取によって私たちのところまでやってきた商品かもしれません。
そのような問題を抱えていない、地域社会や経済を損なわない消費生活のことをエシカル消費といいます。
身近な例でいえば、台風などで被災した地域の復興のために特産物をちょっと高めの値段でも取り寄せる。
そんな買い物の仕方が、エシカル消費なのです。
エシカル消費の商品って?
エシカル消費は、消費について倫理の要素を備えていることを指します。
従来の買い物は、品質・価格・安全性が優先されていました。
エシカル消費の場合は、これらの3つの要素に加えて、エシカル(倫理)をプラスするのです。
ただ、協力したくても何がエシカル消費につながるのかがわからないという方も多いでしょう。
そこで目安となるのが、国際フェアトレード認証、MSC認証、FSC認証、エコマークなどのついた商品です。
こうした目印がついている商品は、自然災害にダメージを与えたり、貧しい人の労働力を搾取するような作り方をしていません。
エシカル消費とロハス・フェアトレードの違い
エシカル消費は環境保全や社会貢献を意味する消費のことですが、この言葉を初めて公的に出したのは英国のブレア首相だといわれています。
エシカル消費に続いて地球環境保護を優先した商品を購入することを意味した言葉として登場したのが、ロハス消費です。
環境保護に加えて、健康な生活を最優先にすることもロハス消費の目的です。
日本では、多くのメディアもロハスを取り上げ、ロハスなカフェなども登場しました。
スローライフと混同している人もいるかもしれませんが、環境にやさしく健康であることがロハスの本来の大まかな意味です。
フェアトレードは、ロハスよりも後に登場した言葉。
公平な貿易を意味し、わかりやすいところではコーヒー豆やチョコレートなど貧しい人の労働力を搾取して輸出されてきた商品にフェアトレード製品が増えてきています。
こうなると、エシカル消費はロハスとフェアトレードを総合したような消費の仕方ともいえます。
すぐ出来るエシカル消費の第一歩
具体的には、エシカル消費はどのように心がけたらよいのでしょうか。
日本では、1人の人が10kgの服を買って9kg捨てているといいます。
一見、環境や人のためになりそうな商品が、実は真逆の影響力を持っていることをご存じでしょうか。
コットン(綿)栽培には大量の農薬が使われ、そのために環境も人の体も汚染されています。
エシカル消費をするには、正しい知識を得ることが第一歩です。
コットンの服を着たいのであれば、オーガニック栽培されたコットン製品を選ぶなども一歩となります。
フェアトレード製品、環境保護を考えて作られたロハス製品などを選ぶこともエシカル消費のためになること。
買物をするときに、まずは環境や作った人のことを考えてみてから決定するクセをつけると、エシカル消費は身近になってきます。
エシカル消費のデメリット
エシカル消費といえば、どこででも欲しい商品が手に入るとは限らないことがあげられます。
また、手がかかっていたり、労働力のために見合った賃金が支払われる価格となるため、格安とはいえない商品を選ぶことにもなるでしょう。
ただし、これらをデメリットと思い続けず、無駄に物を買わないことで折り合いをつければ、消費生活は新たなメリットを得られる局面を迎えられるはずです。