何百種類もの害虫から守ってくれる植物ニームは、奇跡のようなという意味でミラクルニームと呼ばれています。
アブラムシやバッタ、ハダニなど、植物の天敵の他にも、ゴキブリやハエ、蚊など、数え切れないほどの害虫を除けるのに役立ちます。
それほど虫には有害な成分を含んでいても、人間やペット、鳥などには無害だといわれる植物です。
ニームの原産はインドですが、インドでは殺菌消毒や抗ウイルス、解熱などにも用いられています。
虫除けに役立つ成分としては、アザディラクチンがあります。
害虫そのものを除けるだけでなく、害虫が脱皮したり羽化するのも阻害する作用があるといわれているのです。
ニームの効果
ニームは、100%天然素材の虫除けとして重宝されてきました。
害虫を除けるだけでなく、ハエや蛾など羽化するタイプの害虫を事前に抑制することもできます。
なめくじやアブラムシなど、全く種類の異なる害虫でも、万能といえるほどに効果を発揮します。
また、虫除けとなることから、害虫を媒体とする病気の予防にもつながります。
ねずみやゴキブリなどの忌避剤としても役立つので、衛生環境を保ちたい飲食業のシーンでも使われることがあります。
害虫を除けるために殺菌するのではなく、害虫の生態そのものを防ぐことができるので、一度害虫対策をしてもまた悩まされるということもなくなるので、ニームの良いところです。
ニームで虫よけを効果的にするコツ
ニームは、種子ならオレイン酸を多く含むことから美容にも役立つ植物です。
また、ニームの葉は、乾燥させても煮出しても虫除け効果を得られます。
乾燥させた葉は、衣装ダンスなどに入れておくと、衣類に虫がつくのを防いでくれます。
葉を煮出すと、植物に悪影響を与えずに虫除けにすることができます。
方法は、ニームの葉をほんの一つまみ用意して、1リットルの水に投入したら、10分煮出して薄めるだけ。
薄める割合は、10倍くらいで大丈夫です。
煮出して薄めた液体を植物にかければ、虫よけ効果が出てきます。
煮出し終わった葉や枯れ葉も、刻んで土に混ぜ込めば、天然の虫除け対策になりますよ。
ニームの虫除けラインナップ
ニームの虫除けにも、種類があります。
おすすめのニームを3つ、紹介しましょう。
農薬として使われるニームには、ニームケーキとニームオイルがあります。
ニームオイルは、主に葉に散布する農薬として使われています。
ニームケーキ(ニームパウダー)
一方、ニームケーキは、土壌を改良するときに用いられることが多いのです。
ニームケーキは顆粒ですから、ニームパウダーとも呼ばれています。
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ニームオイル
ニームオイルは種子の仁から搾られるオイルですが、ニームケーキはオイルを搾った搾りカスです。
それぞれに使い道が異なりますから、より適した方法で使用するようにしましょう。
ニームスプレー
ニームオイルやニームパウダーは、いわば業務用といってもいいくらいクセのある臭いがします。
にこれを希釈して、香りのよいハーブなどを配合したのが、ニームスプレーです。
家庭用にも使いやすいため、ニームスプレーを常備しておくのもおすすめです。
ニームの木の育て方
万能といえるほどの虫除け効果を持つニームですが、栽培となるとそう簡単にはいかないようです。
ベランダや窓際などに置いておくと絶大なる虫除け効果を発揮してくれるのに、すぐに枯らしてしまうようなことでは残念ですね。
ニームの木を育てにくいのは、ニームがインド原産ということに理由があります。
日本の気候とはかなり異なる地域ですから、寒さに弱い植物なのです。
大きく育てば持ちこたえてくれますが、それまではこまめに気配りをしてあげることが大切です。
まず、冬に屋外に出してしまうと、ほぼ確実に枯れると思っておいたほうがよいでしょう。
室内でも、気を付けておかないと、葉が変色するようなダメージが出てしまいます。
一年草の種類ですから、基本的には1年で枯れても不思議ではない植物です。
ただ、できれば長持ちさせて有効活用したいところですから、大事に栽培するようにしましょう。
とにかく寒さに弱い植物ですから、気温には気を付けてください。