学校というと、整列された机に座り、教科書通りに幅広く物事を学ぶ場、という印象ですよね。
多くの人がこうした、それこそ教科書通りのような学校で教育を受けてきたのではないでしょうか。
しかしそうではない、一風変わった教育を受けられる学校があります。
更にあの有名人もその教育を受けてきたのだとか?
それは「シュタイナー教育」といいます。
シュタイナー教育とは?
19世紀から20世紀初頭にかけて活躍した、オーストリアの哲学者、ルドルフ・シュタイナーによって提唱されたのが、シュタイナー教育です。
1919年にドイツで工場労働者の子供を対象にした教育施設を設立したシュタイナーは、独自の思想を教育に取り入れました。
その思想とは、知性だけではない、全人的な成長を促すこと。
次第に同様の教育施設が増え始め、今では世界中にシュタイナー教育が知られるようになったのです。
シュタイナー教育の特徴
シュタイナー教育の特徴として根幹をなしているのは、4つの構成要素です。
その4つの構成要素をバランスよく学んでいくことによって、人としてバランスのよい成長ができるというのが、シュタイナー教育の目指すところ。
4つの構成要素とは、自我、感情、生命力、肉体です。
私という意識を意味する自我、快適か不快かの感情、成長や繁殖を示す生命力、肉体はそのものですね。
これらの要素がバランスよく育ってこそ、人間として成長できたということだというのです。
シュタイナー教育では、7年ごとに成長の節目があると考えています。
第1七年期は0~7歳、第2七年期は7~14歳、第3七年期は14~21歳。
それぞれに重要な意味があり、学ぶべきことがあります。
この流れを順番通りに学んでいくことによって、自由を獲得した人間になれると説いているのが、シュタイナー教育です。
つまり、自分自身で考えて行動できる自由人です。
シュタイナー教育は、教科書がなく、芸術的な手法をとって教育が行われます。
また、エポックノートというノートに書き込みをしていくことで、自分の経験や学んできたことを教科書にしていくというのも風変りです。
エポック教育と呼ばれる時間には、好きな科目を一科目選んで数週間学び続けます。
一つの科目を学んでいるときは、他の科目は一切勉強しないというのも独特です。
小中学校の8年間、担任が変わらないというのも大きな特徴。
テストがなく、一人一人の成長に寄り添ってくれることから、できない子を置き去りにするということもありません。
シュタイナー教育のメリット@どんな子に育つ?
シュタイナー教育を受けると、どんな子に育つのかというと、まずは人の意見に惑わされず、常に問題意識を持った子供に育ちます。
個性が培われるため、他人と同じような考えに甘んじることで生きようとは思わない強い子になっていきます。
子供のうちから、自分の意見を堂々と言えるというのは、頼もしいものです。
シュタイナー教育のデメリット@教育が独特?
シュタイナー教育にも、デメリットなのではないかと考えられていることがあります。
まずは、学力に不安が出てくる可能性です。
受験などがある日本では特に、他の子供と学力を比べて優劣をつけることで評価が行われます。
どんなに一つのことに秀でていても、他のことが全くできないのでは活躍しどころがないのです。
教育があまりにも独特で、世間とズレがあるというのも、同様のデメリット。
これをデメリットとして捉えずに済む方法は、将来の職業を独特なジャンルで開拓していくしかありません。
現在のところ、日本でシュタイナー教育を受けられるところは、小中高一貫校が3校しかありません。
小学校でシュタイナー教育を受けていても、中学校は普通の学校に進学するとなると、学力などの点で問題が出てきます。
そのため、小中高一貫校に入りたいところですが、かなりの狭き門で、地域によっては入れる学校がないという問題も出てきます。
シュタイナー教育を受けた芸能人有名人はだれ?
シュタイナー教育を受けたことで有名な人には、黒柳徹子さんや俳優の斎藤工さんがいます。
ご両親からして、個性的なお二人。
確かに、ご活躍を見ていると、自分らしさを忘れない姿勢が見えますね。