お灸は体を局所的に温めて刺激を与える健康法です。医学品とは異なり短期間で劇的な効果があるものではないですが、体に自然な形で負担が少なく、幅広い効果が期待できます。
八分灸とは
お灸の方法の一つに、八分灸というものがあります。お灸はもぐさを燃やして体の局所を刺激する方法ですが、八分灸はもぐさを八分ほど燃やしたタイミングで消します。
八分灸はお灸をすべて燃やさない方法なので、通常のお灸より熱くありません。お灸の熱さが気になるという方でも気軽に施術を受けることができます。
また、途中で消すのでお灸特有の跡が残りません。
八分灸の効果
お灸は熱さを緩和した方法ですが、お灸の効果は損なわれません。
更に、八分灸には速効性があるという特徴があります。特に、腰痛や膝の痛みの疾患において高い効果が期待できます。
その人の体質にもよりますが、場合によっては1回のお灸で痛みを大幅に除去することができます。
八分灸などのお灸と指圧の違い
お灸と指圧の最大の違いは、道具を使うかどうかです。指圧は特別な道具の必要はありませんが、お灸はもぐさなど専用の道具が必要となります。
お灸はツボなど、体の局所を温めて刺激し、痛みを始めとした体の疾患を取り除くことを目的としています。
一方指圧は、疾患を取り除くものではなく筋肉の緊張をほぐすもので、リラクゼーション効果が中心です。
八分灸に用意する物
八分灸は通常のお灸とほぼ同じ道具を用意します。
お灸に必須のもぐさ、もぐさを燃やすための線香、もぐさを置く場所を決めるためのマジックは必ず用意しましょう。いずれも薬局やスーパーで手に入るものです。
八分灸は途中でもぐさを消す必要があるので、そのときに指に付いたもぐさを取り除くタオルかティッシュを用意しておきましょう。タオルの場合、新しく清潔なものを用意しておきます。
八分灸のやり方
まず、もぐさを平らな場所に置き、その上に少量ずつもぐさを乗せていきます。5cmくらいの長さになるまで重ねましょう。
もぐさを作ったら、ツボ部分にマジックで印をつけておきましょう。その上に水を薄く伸ばして付け、もぐさをくっ付けやすくしておきます。
場所を決めたら、7mmほどもぐさをちぎり、水でくっ付けるようにして置きます。もぐさは線香で燃やします。小さな火種で少しずつ燃やしていきましょう。
もぐさが燃え始めたら、しばらく放置します。燃えすぎないようにしっかりと見ておきましょう。
八分ほどまで燃えたら指でもぐさをつまんで消します。熱さを感じたときももぐさをもみ消し、温度を調節しましょう。
八分灸で感じる熱さの温度
八分灸では熱さをほとんど感じません。熱さを感じる直前でもぐさを消すため、熱いと感じても一瞬です。
お灸をしている間の温度は気持ちがいいくらいの温度で、適度に体を刺激してくれます。熱いと感じたら指でもぐさを消し、温度を調節しましょう。
八分灸をする時の注意点
八分灸を行う場合、お灸を消すタイミングに注意です。全て燃やしてしまうと通常のお灸と同じになってしまうので、自宅で行う場合はお灸の燃え具合に注意です。
また、お灸は空腹時や食後すぐ、入浴直前や運動直後に行うのは避けましょう。この状態のときのお灸は過剰刺激になってしまう恐れがあり、思うような効果が得らえません。
また、八分灸をする部分に炎症や傷があると、もぐさの熱で痛みが出てしまう場合があります。炎症や傷があるときの八分灸は避けましょう。
燃やしすぎると八分灸の効果が得られず、火傷を負ってしまいます。セルフで行う場合は燃やしすぎに注意しましょう。むくみがある方や冷え性の方、糖尿病の方は熱さを感じにくいので、感覚だけではなく目で見てしっかり確認しましょう。