中国伝来の漢方素材を使った薬膳火鍋が、話題になっています。
薬膳といえば、体の中から健康や美容に役立てられる食事。
薬といっても漢方なので、西洋でいえばハーブを料理に使うようなものです。
寒い日に食べれば、辛いけれど体がホカホカに温まる旨味たっぷりの薬膳火鍋について、使われる漢方や健康効果、辛さや味、簡単レシピなどを紹介します。
薬膳火鍋とは
薬膳火鍋は、様々な漢方を加えた辛味のついたスープの中に、羊肉をはじめとした食材を投入して、しゃぶしゃぶのように食べるお鍋です。
中国の鍋として知られていますが、もともとはモンゴルが発祥だともいわれています。
鴛鴦(おしどり)鍋と呼ばれることもあるのは、鍋の中に太極の陰陽を表現した仕切りがあって、おしどりが2羽並んでいるように見えるからです。
日本でも薬膳火鍋ブームに出店したお店が数多く残っていて、中国にもあるチェーン店も全国各地に展開されています。
健康効果に期待できる漢方素材が入ったスープは、飲むと体が温まって明日への活力になってくれますよ。
薬膳火鍋で使われる薬膳
薬膳火鍋に使われている漢方素材は、お店によっても異なります。
例えば、中国から入ってきた火鍋のチェーン店の場合、漢方だけで11種類も使われているのです。
マーボ豆腐のスパイスとしても使われる花椒(ホァジャオ)、消化促進や食欲増進、口臭予防などになるビャクヅク、疲労や息切れなどによい党参(トウジン)、ビタミンCが豊富なナツメ。
日本でもおなじみの生姜(ショウガ)や竜眼(リュウガン)、ニンニク、クコの実なども入っています。
めまいや生理不順、関節痛などによいという当帰(トウキ)、胃痛によいリョウキョウ、吐き気対策になる草果(ソウカ)などに加えて、トウガラシも入ります。
お店ごとに秘伝のスープがあり、加えられる漢方も異なりますから、いろいろ食べに行ってみるのも楽しいものです。
薬膳火鍋は体にいい?
薬膳火鍋は、様々な漢方の健康効果に期待できる鍋料理です。
何種類もの漢方を一度においしく摂取できるメニューは、他にはなかなかありません。
漢方スープもありますが、スープだけだと物足りないときもあります。
その点、薬膳火鍋はしゃぶしゃぶ鍋のようにみんなで囲んで、ワイワイと楽しめるのも特徴の一つ。
お肉や野菜をたくさん食べてもスッキリしているのは、漢方の効果でしょう。
単純に体が温まるという効果もあって、寒い季節には特におすすめの鍋料理です。
暑い季節には、夏バテ防止にもなります。
薬膳火鍋の辛さは?本当に美味しい?!
薬膳火鍋は、トウガラシもたくさん入っていて、見るからに辛そうな真っ赤な色をしたスープです。
旨味たっぷりなので、辛くてもおいしいのですが、辛いものが苦手な人にはひとくちでも無理かもしれません。
ただ、薬膳火鍋には辛くないスープを選ぶことができるお店もあるので、辛いものが苦手な人と一緒でも食べに行くことができます。
スープの旨味は、クセになるおいしさ。
ここにお肉や野菜を投入して食べるのですが、いくらでも延々と食べ続けたくなるような病みつき感があります。
薬膳火鍋を自分でも!簡単レシピ
漢方をたくさん入れることから、お店ではないと薬膳火鍋を体験できないと思っている方もいるでしょう。
最近ではスパイスや漢方を気軽に手に入れることができるため、自宅で薬膳火鍋を再現することも可能です。
スープの作り方は、鍋にサラダ油50ccを入れ、豆板醤とクミン、生姜、赤トウガラシ、ニンニクのみじん切りを入れて炒めたら、鶏ガラスープを加えます。
さらに、ニンニク、ショウガ、香菜の根をスープに投入してください。
砂糖・酒・しょうゆ・味噌などの調味料を加えたら、塩で味を調整。
後は、お肉や野菜などの具材を入れれば完成です。
辛くないほうのスープは、鶏ガラスープに生姜とにんにくを加えた白湯スープとなります。