透明水彩絵の具のように、色が透けて見えるクレヨンを透明クレヨンといいます。
クレヨンといえば、不透明なのが持ち味。濃い色がつき、重ね塗りなどできないのが普通ですが、透明クレヨンの場合は下の色が透けるので、ふんわりとした質感を出したいときなどに便利です。
ここでは、透明クレヨンの成分や描き心地、仕上がり具合、上手な使い方などについて紹介します。
透明クレヨンとは
従来のクレヨンは、一度塗ると、その上に色を重ねて塗ることが不可能でした。
透明クレヨンの場合、上に色を塗り重ねても、透明感のある色彩を楽しめるのが特徴です。
例えば、下描きのアウトラインを塗りつぶしたくないときなどにも、透明クレヨンで色付けをするとアウトラインを残すことができます。
重ね塗りをして、色が混ざるのを楽しむことも可能です。
クレヨン特有のべったりした塗りつぶし感がなくなり、ふんわりと優しい質感の絵を描くことができます。
透明クレヨンの特徴
透明クレヨンの特徴は、大抵の画材の上から重ね塗りができる点。
いわゆるクレヨンのべったりした質感ではなく、ふんわりとしたパステル画のような色合いを出せるのが持ち味です。
下描きやアウトラインの上に色を重ねられるのも、特徴の1つ。
これまでなら消えてしまっていたアウトラインが残るので、今までのクレヨン画とは一線を画す仕上がりになります。
透明クレヨンは、見た目も透明感のある仕様。
見た目には黒っぽい色をしているのに、塗ると淡い色合いが出る種類もあり、不思議です。
5色セットと10色セットがあり、プレゼントに購入する人も少なくないようです。
透明クレヨンの成分オイルゲルとは
透明クレヨンの主成分は、オイルゲル。
化粧品にも使用されているほどの成分で、オルガノゲルやオイルジェルと呼ばれることもあります。
化粧品の他に、医薬品として使われることもあり、透明クレヨンの成分としても問題ありません。
一般的なクレヨンと同じく、食べたりなめたりしたいほうがよいものの、触るだけでリスキーということもないのは安心です。
透明クレヨンの描き心地や仕上がり
透明クレヨンは、描き心地がよいのが特徴です。
通常のクレヨンで描くと、つるんと滑って上手く塗れないようなときもありますが、透明クレヨンの場合はするっと色を重ねていけるのが特徴です。
透明感を出せるのが持ち味で、軽くふんわりした色を出すことができます。
透明クレヨンを使い慣れると、従来のクレヨンで色を塗るときに、こんなに力が必要だったかなと感じるかもしれません。
それほど、透明クレヨンでの描き心地は軽いのです。
仕上がり具合も、優しい雰囲気になり、べったりした手につきそうな感じはなくなります。
見た目は、パステル画のよう。
原色の透明クレヨンでも、色を塗ってみるとパステルカラーのような淡い色合いを出すことができます。
クレヨンで描いたと言わなければ、パステルか色鉛筆で描いたのかと思われるかもしれません。
透明クレヨンの上手な使い方
透明クレヨンは、下絵を透かして描いたり、淡く色付けしたいときに重宝します。
もちろん、これまでのクレヨンのように使ってもよいのですが、実際に塗ってみると従来のクレヨンのような手にべったりクレヨンがつきそうな濃い色は出ません。
アウトラインの上から重ねてみたり、色を重ね塗りしてみると、透明クレヨンらしい使い方ができますよ。
もちろん、透明クレヨンを使うときにNGのルールなどないので、好きなようにいろいろ試してみることをおすすめ。
大人と子供の合作で、どちらかがアウトラインを描いて、どちらかが塗りを担当しても、アウトラインと色の両方が残るので、2人で描いたという記念になるでしょう。